代表の西川喜優が、ゲストをお迎えして対談をする【Kiyuu’s Salon】が始まりました。
TOKYO日本舞踊LIFEのテーマである、日本舞踊や和文化、また健康やビューティーのことなど、自由に会話を楽しむ様子をお届けしてまいります。

記念すべき第1回目は、喜優先生の門下生として3年目になる「ちかさん」です。

基本的にお稽古の時は浴衣でよいのですが、ちかさんは毎回お着物を素敵に着こなしているのはもちろん、髪も自分でセットされていて、いつもトータルで完璧な方です。

いつも優しくて物腰の柔らかい、ちかさんとのお話、初回にして盛り沢山となりましたので前編と後編に分けてお届けします。
【前編】は和文化に興味をもったきっかけや、髪のセットや着物選びのポイントなどを伺いました。

和文化への興味 ~髪セット・着物・ご家族・お手本の人〜

喜優:いつも髪のセットをご自分で完璧にしているけど、それはどうして出来るの?

ちか:着物を着るというのは「髪までやって着物を着る」ことだと思ってます。
髪のセットをやれるまで着物を着てはいけないと自分で思っていて、着付けを習った後に、自分でセットできなきゃと思って、雑誌を見たり当時は動画とかなかったので、美容院でどうやってやってるのかなとやり方を見たりしてました。いつも喜優先生の髪セットも食い入るように見てます笑

喜優:私、(自分でやると)ボリューム感が出ないんだよね。逆毛立ててもそういうプロ級にならない。

ちか:毛タボ2つ入れてます。髪の分量も多いんです。母もすごい多いんですよ。

今では15分くらいでセット出来るそうです。ちかさんのレベルになるまでには、練習あるのみといったところでしょうか。。踊りのお稽古と同じで研究と努力の賜物ですね。

ちか実は祖母も母も日本舞踊を習ってたんです。世代的にもよくお着物は着てました。お稽古には喜んでついて行って、自分も習いたいと言ってたんですけど。。学生時代には、お花とお茶を習ってました。母は神田の生まれで、お箸屋さん(宮内庁御用達の箸勝本店様)の娘でした。若い頃に「神田小町」に選ばれていたようで、そのことを大人になってから知って、さらに和に興味を持ちました。

なるほど、ちかさんの美しさに納得がいきました。

喜優:お家の環境で子供の頃から「和」は好きだったんだね。お着物はお母さまと寸法が合うの?

ちか:私、6人兄弟姉妹の4番目で、3姉妹なんですけど皆んな大きくて、着物には興味ないみたいで、私だけぴったり。

喜優:今日のお着物を選んだ理由は?

ちか:今日のは自分に合わせて作ってもらったものなんですけど、単衣(対談時は9月下旬)で、10月に向かってるからグレー、でも場所がホテルなので華やかさも入れて丸帯で。これ夏帯なのに丸帯なんですよ。古いもので長さもそんなになくて、後も前も柄があるから柄出しが難しいですけど。その日の選び方としては、最初にお天気をもちろんみて、まず着物を選んで、帯を選んで、それを並べて、帯揚げ、帯締め、そしたら帯留め何にしようかなって考えてます。最近この着物買ったからこれ着たいって思ったら、それもありますけど。でも最近考えるのが面倒になってきて、着物と帯をその場でセットで買わないと、後で考えるのが、どんどんめんどくさくなってきたから、このお着物にはこの帯ってなってきちゃうんですね。それもいけないなとは思うんですけど。

喜優:いつも思うのが、私なかなかこういうのができないんだけど、帯留めとかワンポイントされたもの使ってるじゃない?好きで使ってるの?

ちか:姉が宝石デザイナーなんです。

喜優:えーーっ!

ちか:姉がデザインして作ってくれたり、今日のもアンティークのものでどこからか見つけたものをリメイクして、帯留めにしてくれました。

喜優:逆に私は帯留めやらないから、すごい参考になるのよ。

ちか:自分で何もできないので、周りに助けられて生きていく人間なんだなと思っていて笑。何かお返ししなきゃなと思いながら、全然できず。。

喜優:いやいや、素晴らしいじゃないですか。それはお人柄ですよ。ところで、ちかさん流のお着物を選ぶポイントってあるの?

ちか:実は、この方の雑誌をバイブルにしてまして

と持ってきてくださったのが、星野桜子さんの「きもの万華鏡」(2007年発行)。すべて星野さんの自前の和装で、自身をモデルとしてセルフプロデュースしたムック本。撮影はなんと巨匠・篠山紀信氏。

着物を中心に帯、帯揚げ、帯締めなどの小物から、コート、草履、そして髪型まで和装全体のコーディネートが余すところなく紹介されています。とても華やかでゴージャス。ちかさんがバイブルとおっしゃってるのが、とてもよくわかりました。今はもう発行されていないようなのですが、見て見たいと思う方はたくさんいらっしゃるんじゃないかなと思いました。

ちか:10年以上前の雑誌なんですけど、もう大好きでずーっと見てます。


一番お気に入りのページ

ちか:あともう一人、マテリアさんという方がいて… この方の動画が大好きで、コーディネートも大好きで、インスタも見てます。

マテリア着物(マテリアさんInstagram)

ちか:同系色でまとめるんじゃなくて、例えばブルー系のお着物だったら黒の帯で締めるとか、粋な感じが好きで。お店もやってらして。この方自体が面白くて、髪とかも自分で動画アップしたりしてやってます。

ここでサイトやインスタを拝見

喜優:これで今日の時間が経っちゃったりしてねー笑

と笑っていたら実際、サイトを見ながら「これほしい~!」「似合いそう~!」「舞台にも映えそう!」と、とても嬉しそうにお話しているお2人の光景が、とても可愛らしかったです。

 

ちか:いろんな方の写真、インスタ見て、シンプルにまとめて粋に着てみたいと思うんだけど、どうしてもどこかに差し色をもってこなきゃ気が済まない。これホントこれ早くやめたいんです。

喜優:私も着物が淡い色だと、黒い帯好きだからつい黒を合わせたくなっちゃって、それでなんか冷たい感じになっちゃうんだよね。だからいつも同じような感じになっちゃう。

ちか:だからいろんな方のを見て勉強しなきゃって思うんだけれども、自分の型からどうやって脱出すればいいのかなって思います。それには、今日は私も黒の帯にするつもりだったんですけど、今日は先生、絶対黒だろうなと思って。

喜優:本当は私もこの着物じゃなかったの。卵色の絞りが紫色のお着物で。でも雨になっちゃたから。お手入れも大変だしね。あと今日はちかさんがメインだから。

着物を選ぶポイントに「相手のことも考える」というお2人のお話が、次元が違うなと思いました。何月とか天気とか、当たり前のことですが、まだまだそこに捉われていたので、もっと周りの方の着こなしをきちんと見ようと思いました。

 

喜優:お着物買う時は、行きつけの呉服屋さんとかあるの?

ちか:母が使っていた所です。あとは20歳の時に、新宿の甲州屋さんで誂えてもらったのでそこで買ったりとか。

喜優:私は、もちろん(お店に)見に行って手にとって買うけど、ネットで買うときってある?

ちか:よっぽどじゃないと。

喜優:そうよね、やっぱり見ないとってなるよね。

ちか:マテリアさんは京都にお店があるから、先生ぜひ行ってきてほしい。私も行ってみたいなとずっと思ってたので。

喜優:来週京都行くから、行ってみようかな。

【前編】終わり


ご兄弟姉妹6人の4番目。兄も弟も姉も妹も全部いらっしゃるってスゴイですよね。「だから皆んなの気持ちがわかるの」とおっしゃっていて、ちかさんがいつも穏やかで優しいのは、いろんな視点を持ってらっしゃるからなんだなと思いました。

【後編】は、日本舞踊を始めたきっかけから、日本舞踊をやっていて良かったこと、また喜優先生の貴重な踊りのお話も伺うことができました。
<後編はこちら>

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