【観劇レポート】超歌舞伎2022 リミテッドバージョン

歌舞伎俳優澤村國矢さんと代表の西川喜優先生とのご縁で、8月23日にTOKYO日本舞踊LIFEの皆様で観劇してまいりました。

今回は「リミテッドバージョン」ということで、澤村國矢さんが主役の「永遠花誉功(とわのはなほまれのいさおし)」を拝見致しました。

超歌舞伎』というだけあって、こちらの想像を遥かに超えて、素晴らしかったです!!

古典とデジタル技術の融合で、とんでもないエンタメが繰り広げられていました。

数年前からだんだんと、様々な舞台でもデジタル技術は使われるようになってきましたが、時に映画を見ているかのような、でもリアルに俳優さんがお芝居もしていて、不思議な感じもしますが、相乗効果で物凄い迫力です!ここまで取り入れているとは驚きでした。
この舞台は生で見ないと勿体無いです!

『超歌舞伎』公演情報はこちら
https://chokabuki.jp/2022theatre/

 

※以下、ネタバレを含みます。ご了承ください。

 

本編が始まる前に

まず、中村獅童さんの「ペンライト講座」から始まります。

これが光るだけではなく、なんと色が14色もあり、さらに、大向こう(○○屋!という掛け声)付きで、これもなんと6種類もあるそうです!
操作が少し難しいということで、その場で練習時間もありました。

ありえない!!笑笑

本来、観劇というのは、スマホなど音の出るもの、光るものなどは禁止ですが、むしろ逆とは!
でもコロナ禍で声が出せなくても、これがあれば楽しめることを証明していましたね。

そして獅童さんが昔、苦労していた時に抜擢してくださった勘三郎さんへの思い、そして國矢さん始めとするお弟子さんや若手へ繋いでいく思い、さらにはお客様、作り手の方々への感謝を述べて感極まっていらっしゃり、本編始まる前に既にこちらももらい泣きしてしまいました。

本編

澤村國矢さんは舞台映えが半端なく、お声も素晴らしくて、もうその安定感たるや。
全部を通して「全身全霊とはこのことか…」と思うほど、演技を超えたものがありました。特に最後のセリフには魂からの叫びのように聞こえました。泣かされました。カッコ良かったです!
紀伊国屋!最高の主役でした!!

初音ミクさん。まず、とても可愛いかったです。バーチャルなのですが、バーチャルであることを忘れるくらいの存在感でした。やはり日本舞踊を踊る私たちとしては、踊りの上手さに釘付けになってしまい、観劇後には皆で「ミク姉さん」と呼んでいました。
パンフレットを拝読いたしましたが、様々な課題に向き合いながら、アイデアや努力を重ねられ、作り手の皆さんのプライドと愛情が感じられました。

アクロバット俳優さん達も凄かった。
もう出てきただけで、ワクワクしてしまいました。特に白狐のカッコ良いこと。花道での去り方は客席から思わず「オーッ!」という声が聞こえました。

また歌舞伎では大変に珍しい、女流舞踊家の皆様が、まさに舞台に華を咲かせていらっしゃいました。踊りも所作も素晴らしくて、大変勉強させていただきました。
そしてまさかの、今流行のキツネダンスまでやってのけるとは!可愛い中に、色っぽさもあって素敵でした。

ほかにも龍も出るわ、銀テ飛ぶわ、花びら舞い散るわのド派手演出を堪能いたしました。

歌舞伎を観に着物で来て、最後スタンディングでスマホ撮りながら、拳上げてノリノリで盛り上がる日が来ようとは思いもしませんでした(笑)

これだけ派手で、様々なものがてんこ盛りだと時に「なんだかよくわからなかった」となりがちですが、まったくそんな風に思えないのは、土台にしっかりと「古典歌舞伎」があるからですね。
歌舞伎の本来の凄さ、かつ、新しいものを取り入れる懐の深さ、チャレンジする精神、今回また改めて気づかせていただきました。
終演後も鳴り止まない拍手が、それを大いに物語っていたと思います。

私たちTOKYO日本舞踊LIFEも、古典芸能を愛し、伝え広めていきたいという思いがあります。
ここ数年はなかなか皆様で観劇することも難しかったですが、今回観劇できたことは大変嬉しかったです。
本当に素晴らしい舞台を、ありがとうございました!!

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